ヒルマン

'07年、ヒルマンは札幌の保守的なビジネスマングループから講演を頼まれた。彼はそのなかで、
選手を褒めることと、一対一の対話の重要性を強調した。
そして日本では監督やコーチが選手を殴ったり、脅したり、体罰を加える傾向があると非難した。

「聴衆は私の指導法にあまり興味がなさそうだった」とヒルマン。「なぜ私に講演を頼んだのか不思議だね。
日本人は上から命令されたり怒鳴られたりするのが好きなのさ。
聴衆から忠告された。あなたはもっと強く出るべきだ、さもないとなめられて収拾がつかなくなりますよ、とね。
だからこう言ってやった。それは単にあなたの権勢欲を満足させるためでしょう。相手をへこませる必要がどこにありますか、と」

 同年、リーグ連覇を果たした後、ヒルマンは帰国を決意した。故郷テキサスへ戻り、こう語った。

「日本野球は本当に変化しているのかな。古臭いやり方が少しは薄れたと思ったけど、あまり変わっていない。
へとへとになるまで練習するし、フルカウントにもちこみたがる」