日本人総スクルージ化?

母と一緒にクリスマス・キャロルという映画を見に行った。母がどうしても一緒に出かけたいと懇願してきたからだ。


映画館に入って驚いたのは子どもの多さ。小学校中学年くらいまでの子とその保護者だらけ。50歳の母と20の俺はかなり異色のカップルだった。20歳でディズニー映画を見る自分はやはり幼稚だと思い知らされた。


俺がクリスマス・キャロルに触れるのはこれが初めてじゃない。親父の妹さんが、俺と妹に平野啓子さん朗読のクリスマス・キャロルのCDを贈ってくれて、それを幼い頃何回か聞いているから、ストーリーは分かっているのだ。ごく簡単にあらすじ説明すると、金持ち強欲悪人スクルージがクリスマスの精霊にこらしめられて改心するというお話なの。 リンク


さて劇中のスクルージの言動、これが酷いもんなの。


「貧しい者が死ぬのはちょうどいい。余計な人口が減る!」


「クリスマス一日まるまる休みたいんだろ?その変わりあさっては朝早く出勤しろ!」


「お前は休むのに、お前の給料は下げられない!いまいましい」


とか、かなり適当な覚え書きだけど、とにかく のような、鬼みたいなこと言うのね。とにかく薄給・長時間労働パワハラで、部下のクラチットさんや 寄付を募りに来た人を虐めるのよ。


で、そんな悪態を吐いて帰宅したその夜、スクルージちゃんは元同僚のマーレイの幽霊に会う。そこでマーレイの幽霊は、自分の人生の悔やみをスクルージに吐くんですよ。


「私は私の人生を見ることができなかった!人生を棒に振った!」 と恐ろしい形相で。


ビビったスクルージ氏は必死にォロー 「でもお前は仕事ができたじゃないか」(有能だったじゃん)


マーレイはその言葉に怒り狂う。 「それがなんだぁぁぁぁ!!?私はあの暗い部屋で寂しく仕事をして人生を終えたのだ!もっと人のためになることをすればよかった!」


マーレイは天国に行けない自分の運命を呪い、そしてスクルージに警告する。お前もこのまま生きていると酷いことになるぞ。これから3人のありがたい精霊が来るから、会って自分を悔い改めろ、と。そして精霊によってスクルージは過去・現在・未来のクリスマスを見せられ、自身の行いと精神を深く反省するのだ。


イギリスのお話だけど、日本社会にピッタリのお話だった。俺はマーレイとスクルージ爺さん、そしてクラチットさんを見ていて、日本の大人、そしてニュー速民を連想したよ。台風で電車が止まる可能性がある日はいつもより何時間も早く出勤させられる社会人、仕事以外は人生において何もしていない・させてもらえない社会人、有給を許さない経営者、職が無いのは・貧しいのは自己責任だからさっさと死ねと言う2ちゃんねるの住民たち・・・。


(日本って国民総スクルージ化してるんだな)と、映画を見ながらボンヤリと思った。そんな一日でした。
http://www.disney.co.jp/movies/christmas-carol/